【お役立ち情報】2月は認知症予防月間 「脳を守ろう!~生活習慣病と認知症との深い関係~」

2月は認知症予防月間

脳を守ろう!~生活習慣病と認知症との深い関係~

生活習慣病と認知症関係

生活習慣病は、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、日常の生活習慣と深く関わる病気です。これらの病気には共通して、脳の血管や神経に少しずつダメージを与えていくという特徴があります。

生活習慣病が続くと、血管が硬くなったり細くなったりして、血液の流れが悪くなります。すると、脳に必要な酸素や栄養が届きにくくなり、脳の細胞は元気を失っていきます。この状態が長く続くと、脳の細胞は少しずつ壊れ、回復しにくくなり、結果として物忘れや判断力の低下など、認知機能の低下につながります。

生活習慣病別にみる「認知症との関係」

①  高血圧

最も関係が深いリスク因子のひとつです。

  • 脳の細い血管が傷つく
  • 小さな脳梗塞(自覚症状なし)が積み重なる
  • ➞  脳血管性認知症の原因に
  • ➞ アルツハイマー型認知症の進行も早めるとされています

≪管理のポイント≫

  • 血圧測定を「習慣」にする
  • 薬を自己判断で中断しない
  • 塩分のとりすぎに注意

②  脂質異常症(コレステロール)

動脈硬化を進め、脳の通り道を狭くします。

  • 脳梗塞のリスク増加
  • 血流不足による認知機能低下
  • ➞ 高血圧と同様、脳梗塞のリスクがあり、認知症の原因ともなります。

≪管理のポイント≫

  • 揚げ物・動物性脂肪を控える
  • 魚・大豆製品を増やす
  • 薬は長期的に継続
血圧とコレステロール、脳に何が起きている?

高血圧や脂質異常症は、認知症の発症や進行と深く関係している生活習慣病です。これらの病気は、共通して脳の血管に負担をかけ、血流を悪くするという特徴があります。

高血圧の状態が続くと、脳の細い血管に強い圧がかかり、血管が傷つきやすくなります。その結果、自覚症状のない小さな脳梗塞が知らないうちに積み重なっていきます。

こうした変化は、脳血管性認知症の原因になるだけでなく、高血圧がアルツハイマー型認知症の発症にも関与していることが分かっており、進行を早める要因にもなります。
なぜリスク因子となるのかはまだ研究段階ですが、平均的な血圧の高さよりも、日ごと・季節ごとの血圧変動が大きいことが、何らかの影響を及ぼしている可能性が指摘されています。

その為、認知症全体においては、近年の「高血圧管理・治療ガイドライン」に、中年期からの高血圧は「認知症発症抑制の観点からも積極的に治療すべきである」という文言が明記されました。

脂質異常症では、コレステロールの増加により動脈硬化が進み、脳へ血液を送る血管が狭くなります。

これにより脳の血流が慢性的に不足し、酸素や栄養が十分に届かなくなります。その結果、記憶力や判断力が徐々に低下し、認知機能の低下や認知症のリスクが高まります。

高血圧や脂質異常症は、どちらも自覚症状がほとんどないまま進行するため、本人が元気に感じていても、脳へのダメージは少しずつ蓄積されていきます。気づいたときには、すでに認知機能が低下していることも少なくありません。

そのため、血圧やコレステロールを日頃から管理し、薬をきちんと続け、食事や運動の習慣を整えることは、心臓や血管を守るだけでなく、脳を守り、認知症を予防することにつながります。

認知症原因は、「脳梗塞」と大きな関係があり、脳梗塞が起因となります、脳血管性認知症は、脳の細かな血管が硬くなって目詰まりを起こすことが一番の原因です。血管が硬くなる、この状態が動脈硬化です。

動脈硬化で傷んだ血管をつるつるの状態に戻すことが出来ませんが、早期に治療を始めれば、認知症につながる脳梗塞の予防とまります。心当たりのある方はぜひ早めに、受診をお勧めします。

③  糖尿病

血糖が高い状態が続くと、血管も神経も傷みます。

  • 脳の神経細胞がダメージを受けやすい
  • アルツハイマー型認知症の発症リスクが上昇
  • ※最近は「アルツハイマーは脳の糖尿病」と呼ばれることもあります。脳と糖尿病は関係ないように感じますが、アルツハイマー病に関しては、糖尿病が影響を及ぼす場合があるとの研究結果があります。

≪管理のポイント≫

  • 食事量・間食の見直し
  • 食後の軽い運動
  • 血糖値・HbA1cの定期確認
脳を元気に保つための糖尿病対策~認知症と糖尿病の関係

糖尿病は、血糖値が高い状態が続く病気ですが、近年の研究では、認知症、とくにアルツハイマー病の発症や進行と深く関係していることが分かってきています。

糖尿病では、インスリンというホルモンが十分に働きにくくなる「インスリン抵抗性」が起こります。

インスリンは血糖値を下げるだけでなく、脳の神経細胞がエネルギーを利用し、記憶や学習を保つためにも重要な役割を担っています。

インスリン抵抗性が続くと、脳の中でもインスリンの働きが弱まり、神経細胞がエネルギー不足の状態になります。その結果、記憶をつかさどる働きが低下し、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβという物質の処理もうまくいかなくなります。

このため、一部の研究者は、アルツハイマー病を「脳の糖尿病(type3 diabetes)」と表現することもあります。

また、糖尿病による高血糖状態は血管を傷つけ、動脈硬化を進めます。これにより脳の血流が悪くなり、小さな脳梗塞が起こりやすくなります。こうした変化は、脳血管性認知症の原因になるだけでなく、アルツハイマー病の進行を早める要因にもなります。

さらに、糖尿病の管理が不十分な場合、低血糖や高血糖を繰り返すことがあります。これらは意識障害や混乱を引き起こし、高齢者では一時的な認知機能低下やせん妄を招くこともあり、認知症の症状を悪化させる原因となります。

このように、糖尿病は「血糖の病気」にとどまらず、脳の働きや認知機能に大きな影響を与える病気です。適切な血糖コントロール、食事や運動の習慣、治療の継続は、糖尿病の合併症予防だけでなく、認知症の発症リスクを下げ、進行を遅らせるためにも重要といえます。

※インスリン抵抗性とは?
インスリンが出ていても、体や脳がうまく反応できない状態のことです。そのため、糖が細胞に入りにくくなり、血糖値が下がりにくくなります。

この状態が続くと、血管や神経に負担がかかり、糖尿病や認知症のリスクが高まります。つまり、インスリン抵抗性は体と脳のエネルギーの使い方が悪くなる状態です。

④  喫煙・過度の飲酒

  • 血管収縮・動脈硬化を進行
  • 脳の萎縮を早める可能性
  • ➞ 禁煙・節酒は即効性のある予防策です。

脳の萎縮=認知症ではありませんが、脳の萎縮がおこることにより認知症発症のリスクは上がります。

禁煙や節酒は認知症予防につながる即効性のある対策

喫煙や過度の飲酒は、認知症の発症や進行と深く関係している生活習慣です。これらは共通して、脳の血管や神経に負担をかけるという特徴があります。

喫煙を続けると、血管が収縮し、動脈硬化が進みやすくなります。その結果、脳への血流が悪くなり、酸素や栄養が十分に届かなくなります。

こうした状態が続くと、脳の細胞が傷つきやすくなり、認知機能の低下や認知症のリスクが高まります。また、喫煙は脳梗塞のリスクを高め、脳血管性認知症の原因にもなります。

飲酒については、少量であれば大きな問題にならない場合もありますが、過度の飲酒は脳にとって大きな負担になります。アルコールを長期間多量に摂取すると、脳の神経細胞が傷つき、脳の萎縮を早める可能性があります。さらに、記憶障害や判断力の低下を招き、認知症の発症リスクを高めることがあります。

喫煙や過度の飲酒は、比較的短期間でも改善効果が期待できる生活習慣です。禁煙や節酒は、脳や血管への負担を減らし、認知症予防につながる即効性のある対策といえます。

このように、喫煙・飲酒の習慣を見直すことは、健康全体を守るだけでなく、将来の認知機能を守るためにも重要です。

血管を守るための工夫

血管は、血液を通して脳や体に酸素や栄養を届ける大切な通り道です。
血管を元気に保つことは、認知症や脳卒中の予防にもつながります。

① 血圧・血糖・コレステロールを整える

  • 毎日でなくても、定期的に測る習慣をつける
  • 数値が高くても「痛くないから大丈夫」と放置しない
  • 薬は自己判断でやめない

➞ 数字を知ることが、血管を守る第一歩です。

② 塩分と脂をとりすぎない

  • 汁物は汁を少なめにする
  • 漬物・加工食品は量を控える
  • 揚げ物や脂身は毎日続けない

➞「少し控える」だけでも血管の負担は減ります。

③ 毎日少し体を動かす

  • 散歩、体操、家事などでOK
  • 1回にたくさんやる必要はありません
  • 続けることが大切

➞ 動くことで血流がよくなり、血管がしなやかになります。 

④ たばこは控え、お酒はほどほどに

  • たばこは血管を強く縮めます
  • お酒は飲みすぎると血圧や血糖を乱します

➞ やめる・減らすだけで、血管はすぐに楽になります。 

⑤ よく眠り、ストレスをためない

  • 寝不足や強いストレスは血管に負担
  • 昼寝は短めに。2時間以上の昼寝は睡眠の妨げになることも
  • 好きなことや人との会話も大切

➞ 心の安定も血管の健康につながります。

血管を守ることは、脳を守ることです。また、対策は特別なことより、毎日の積み重ねが大切です。

「症状がないから大丈夫」が一番危険です。

生活習慣病の怖さは本人に自覚症状がほとんどないことです。数値が上がったからと言って急に何か変わった症状が起こるとは限らないため、治療開始が遅れがちです。そのまま放っておいた場合、じわじわと目に見えない進行をしています。

いつの間にか脳にダメージは蓄積しており、気づいたときには認知機能が低下してしまうのです。
だからこそ「今は元気」なうちの健康管理や意識の持ち認知症予防に繋げましょう。

この記事は介護福祉士に監修されています

介護福祉士
青木 いづみ

母親の認知症をきっかけに、サービス業から介護の道へ転身。サービス業で培ったコミュニケーション力と、介護職員や施設長としての知識や経験を活かし、入居相談員として家族が抱える悩みに寄り添っています。介護現場の視点、利用者目線、専門知識を基にした丁寧な相談を行っています。