【お役立ち情報】安心した施設生活「ご利用者の生命を守るため<避難訓練・AED講習会>」

ご利用者の生命をを守るため<避難訓練・AED講習会>

介護施設では、消防法により年2回以上の避難訓練が義務付けられています。

介護施設での避難訓練

 介護施設では、消防法により年2回以上の避難訓練が義務付けられています。

 特に、宿泊を伴う施設では、年2回のうち1回は夜間に訓練するか、夜間の災害を想定した訓練を行う必要があります。

 夜間に災害や火災が発生した場合でも、迅速かつ安全に避難誘導を行えるよう、実際の行動を想定して訓練することが重要です。消防署などと連携して行う場合もあります。

避難訓練では何を行うか?

≪避難訓練で行うこと≫

◎火災・地震などの発生を想定した初期対応の確認

  • 火災報知器の作動確認
  • 職員による初期消火の動作確認

◎通報訓練

  • 消防署への通報手順の確認
  • ご利用者の避難誘導
  • 居室・フロアからの避難誘導(実際に移動するか、声かけのみの場合も)
  • 避難経路の安全確認

◎点呼・安否確認

  • 避難先でご利用者の人数確認、報告

◎消防設備の確認

  • 消火器、消火栓、誘導灯、AEDの位置と使い方の再確認

◎振り返り(反省会)

  • 訓練の問題点、改善点を職員同士で共有を行う

避難訓練のシミュレーション<例>

≪総合避難訓練(火災発生):日中想定屋外避難あり≫

想 定

  • 1階の厨房から出火
  • 煙が2階まで上がっている想定
  • 施設には18名のご利用者と職員6名

① 訓練開始前の準備

  • 火元となる部屋、時間帯、避難ルートを設定
  • 利用者の介護度・歩行状態に応じた誘導計画を立てる
  • 職員に事前説明(通報係、誘導係、消火係など役割分担)

■ 役割分担の例(昼間想定)

担当

役割内容

通報・連絡係

119番通報、火災受信機の操作

消火係

消火器を使用して初期消火動作

誘導係 利用者の安全誘導・声かけ
点呼係 避難場所での点呼・名簿確認
記録係 写真撮影・訓練内容記録

② 出火発見〜通報   ※サイレンが鳴った場合は火災受信機を確認し火元を確認

  • 通報・連絡係の職員Aさんが厨房で煙を発見
    「火事です!厨房から出火!」と大声で周知
    その後119番通報(実際には模擬または消防署への訓練通報)
  • 消火係の職員Bさんが初期消火を試みる(模擬動作)

③ 避難誘導

  • 誘導係がフロアを巡回しながら声かけ
  • 歩行できるご利用者には職員が付き添い誘導
  • 車いす・歩行に支障のある方などは声を掛け合って対応しで避難

※重要→ 避難時に廊下や階段が混雑した場合の対応もシミュレーションに含める

④ 避難完了・点呼

  • 避難場所(玄関前・屋外スペース・非常口前など)に全員集合
  • 職員が名簿で点呼し、避難漏れがないか確認

⑤訓練終了・振り返り

  • 全職員で訓練の振り返り(良かった点・反省点)
  • ご利用者からの感想もヒアリング(不安・混乱がなかったか)
  • 記録を作成し、次回訓練に活かす

避難終了後、消火訓練を合わせて行うと有事の際に消火器等の扱いがわかりより効果的な訓練となります。

なぜ、夜間想定の避難訓練を行うか?

年に一度は「夜間想定の避難訓練」を行います。

夜間帯は職員の数も少ない中で避難を行うため、避難経路の確認だけでなく、就寝中に出火した想定で、就寝中のご利用者様を安全な場所に避難するシミュレーションを行い、要介助者を安全に避難できるように実際ベッドに横になっているご利用者に声掛けなどをして避難誘導を行います。

介護が必要な要介護者の方を車いすなどで安全な場所に避難させたりするなどし、万が一の火災や災害が起きたときにご利用者の安全を守るため、必須の訓練として行っています。

⑥まとめ

確認した動きの中で必ずしなければいけないこと、しなくてよいことを分けましょう。

夜間想定の避難訓練のシミュレーション<例>

≪施設設定:花物語(認知症グループホーム2フロア・各階に職員1名≫

項目

内容

フロア構成

地上2階建て:1階・2階に入居者がそれぞれ9名

職員配置

夜勤職員A:1階担当/夜勤職員B:2階担当

入居者構成 計18名(自立13名/車いす4名/寝たきり1名)
災害想定 1階の洗濯室から出火(火災)
時間 午前2:30頃(就寝中)

※訓練では内線電話や携帯電話の使用も含め、施設内連絡が取れるかを確認すると現実的です

避難訓練の流れ:火災発生から避難完了まで

① 火災発見と通報対応(1階:職員Aさん)

  • 火災報知機が作動
  • 1階職員Aさんが1階の火元を確認し、洗濯室から煙を発見
  • 1階職員Aさんがすぐに119番通報(模擬)し、内線電話で火災を周知
  • 火元の初期消火は行わず、すぐ避難誘導へ移る(※夜間は無理をしない)

② 1階:職員Aさんの避難誘導

  • 火元に近い部屋(例:101号室、102号室)から声かけ・誘導を開始します。自立歩行できる方は、避難する場所を伝え、ご自身で移動していただく。
  • 車いすが必要なご利用者は、介助が必要な場合は職員が避難させます。避難訓練では一時避難室(防火区画)へ全員を誘導し、消防到着を待つ状況にします。(想定)
  • 安全を確保しながら順次避難完了となります。

③ 2階:職員Bさんの対応

  • 火災の情報は自動火災報知機で把握、内線電話でも把握
  • 職員Bさんは2階の居室を巡回しながら声かけ
  • 歩行可能なご利用者は自力避難を促す(階段使用)
  • 車いす・寝たきりの方は防火区画へ一時避難または動線確保後、順次移送

※ 職員Bさんは2階から1階へ全員を降ろすのは現実的に難しいため、対応を変更して訓練を行うことがあります。特に夜間帯は配置職員が少ない為、避難訓練も臨機応変に施設の状況を考えて、避難場所、避難の方法を考慮します。
※避難の方法として、垂直避難か平行避難のどちらが有効かの検討もします。

④フロアごとの避難完了と点呼

  • 1階:屋外または玄関前に避難、職員Aさんが点呼(名簿使用)
  • 2階:防火区画または階段付近で職員Bさんが点呼

⑤訓練終了・振り返り

  • 全職員で訓練の振り返り(良かった点・反省点)
  • ご利用者からの感想もヒアリング(不安・混乱がなかったか)
  • 記録を作成し、次回訓練に活かす

図上訓練について

図上訓練とは、災害などの緊急事態の発生を想定して、地図や資料などを利用して机上で訓練を実施する方法です。想定される災害ばどの状況を把握し、適切な対応方法を検討するための重要な訓練方法です。

福祉施設での新しい訓練のかたち~図上訓練

福祉施設は、施設の立地条件や入居者の特性、限られた居室空間・職員数、シフト配置等によって安全体制が常に変化するといった特徴があります。平成19年の消防法施行改正により、防火管理者の専任とともに、小規模施設であっても消防計画が求められるようになりました。

これまでの火災時における避難誘導訓練は、火災の発見から初期消火・避難誘導までの流れが成功したという条件で進行する場合が多く、施設環境や入居者の方の ADL の状態に合わせた訓練は行われていないのが現状です。

この図上訓練では、施設形態に合わせた、ご利用者の方の ADL に合わせた訓練をスタッフで話し合いながら共通認識を持つことを目的として行われています。

図上訓練フロー

Step1 確認していきましょう

火災の被害を大きくしないためには初期消火と品番誘導を死寝ければなりません。グループ内で施設の構造を理解しましょう。

  1. 避難誘導口
  2. 消火器
  3. 受信盤
  4. 危険個所・・・どこが危険か記入しましょう

※それぞれ色を塗ってみましょう

Step2 施設内を見まわってみましょう

・施設地図を持って上記の箇所を記入しましょう

□危険個所はどこですか?

□どのように危険ですか?

□扉や窓に鍵がかかっていますか?

□扉の外の避難系とは繋がっていますか?

□ご利用者の方が隠れてしまうような場所はありませんか?

□角の尖った家具・指の挟まりやすい場所はありませんか?

Step3 地図に記入しましょう

施設の地図に危険個所について上記の箇所を平面地図に記入していきましょう。
危険個所についてはその場所が使われる時は特に注意しましょう。

Step4 シミュレーション

平面図に利用者様を模擬配置し、火災と想定して避難誘導模擬訓練をしていきます。

  • 火災発見・・・火災発見、初期通報
  • 初期消火・・・消火器を持って現場へ、初期消火
  • 避難誘導・・・避難誘導開始(優先順位を考える)
  • 点呼確認・・・避難後、点呼して確認

Step5 意見交換

平面図に利用者様を模擬配置し、火災と想定して避難誘導模擬訓練をしていきます。

  • 何を優先し恵避難誘導したのか確認していきましょう。
  • 施設の特性を理解した上で動くことが出来たか?今後取り入れた方がいい事は?

Step6 まとめ

確認した動きの中で必ずしなければいけないこと、しなくてよいことを分けましょう。

AED講習会

介護施設におけるAED講習の必要性

介護施設では、高齢者や持病を抱えた方々が多く生活しており、心臓突然死のリスクが高い環境にあります。こうした場面で職員が迅速かつ的確にAEDを使用できるようにするために、講習は非常に重要です。

≪講習の流れ≫

① 基礎知識の説明

  • 心停止の兆候(呼吸停止・意識なしなど)
  • 119番通報とAEDの手配
  • AEDの仕組みと安全な使い方(誤作動・やけどの防止)

②デモンストレーション

  • 講師(指導員)が実際に人形を使って、
  • 発見 → 声かけ・反応確認
  • 応援呼びかけ → AED・救急要請
  • 呼吸確認 → 胸骨圧迫
  • AED装着・操作

シナリオ

① 基礎知識の説明

職員①「Aさん!聞こえますか!?……意識がありません!」

肩をたたき、呼びかける → 無反応

②周囲への助けを呼ぶ

職員①「誰か来てください!倒れている人がいます!」

職員②(駆け寄る):「どうしました?」

職員①「意識がありません!救急車をお願いします。AEDも持って来てください。」

③呼吸確認

職員①が気道確保 → 胸・腹部の動きを10秒以内で確認)

職員①「呼吸がありません!心停止です!」

④胸骨圧迫開始

講師(指導員)「すぐに胸骨圧迫を始めてください。胸の真ん中を強く、速く、絶え間なく圧迫してください!」

職員①が両手を重ね、1分間に100〜120回のペースで圧迫)

⑤AED到着・装着

職員②(AED持参):「AED持ってきました!」

職員①「圧迫を交代してください!」

(交代しながらAEDを開け、電源を入れる)

AEDの音声ガイダンス「電源を入れました。パッドを装着してください。」

(上半身の服を脱がせ、パッドを正しく装着)

⑥解析と電気ショック

AED音声:「解析中です。患者から離れてください。」(全員が離れる)

AED音声:「ショックが必要です。ショックを行います。離れてください。」

職員②:「みなさん離れてください!……ショックします!」(ボタンを押す)

⑦再び胸骨圧迫

AED音声:「胸骨圧迫を再開してください。」

講師(指導員):「救急隊が到着するまで、2人で交代しながら圧迫を続けて下さい。」

⑧実践訓練

職員を以下のような2人1組のチームで訓練:

1人が心肺蘇生

1人がAED操作および通報

⑨振り返りと質疑応答

良かった点・課題の共有など振り返りを行う。

高齢者特有の注意点(ペースメーカー、皮膚の脆弱性)などを学ぶ

AEDの操作は決して難しくありませんが、万が一の時に職員全員がしっかりと手順を理解し操作などが行えるよう、定期的に講習を行う機会を作れるよう心がけましょう。

私どもJALAの施設ではBCPに基づき、研修や訓練などの機会を設け、利用者様の命と安心した生活を守るために、日々のケアに加え、災害・緊急時対応にも全力で取り組んでおります。今後も安心と信頼の介護を提供してまいります。

この記事は介護福祉士に監修されています

介護福祉士
青木 いづみ

母親の認知症をきっかけに、サービス業から介護の道へ転身。サービス業で培ったコミュニケーション力と、介護職員や施設長としての知識や経験を活かし、入居相談員として家族が抱える悩みに寄り添っています。介護現場の視点、利用者目線、専門知識を基にした丁寧な相談を行っています。