生活習慣病とは?

生活習慣病とは?

生活習慣病とは?

生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、喫煙、飲酒、睡眠や日々のストレスなどの日々の生活習慣が深く関与して発症・進行する病気の総称です。

主な生活習慣病に関しては、肥満症、高血圧症、脂質異常症(家族性のものは除く)、2型糖尿病、高尿酸血症(通風)、脳血管疾患、心疾患、アルコール性肝障害や喫煙や食生活が原因となりえる一部のがんなどがあります。生活習慣病の発症は遺伝的要因や環境的要因など様々な要因が影響することもあります。

生活習慣病の主な原因

生活習慣病の主な原因として、

  • 高カロリー、高塩分、高脂肪など不適切な食事
  • 運動不足
  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 睡眠不足
  • ストレス

などがあります。

では、1日の必要カロリー数を見てみましょう。

下記の表は、男女、年齢別で運動レベルによるものです。

年齢層

男性(I)

男性(II)

男性(III)

女性(I)

女性(II)

女性(III)

18~29歳

2,300

2,650

3,050

1,700

2,000

2,300

30~49歳

2,300

2,700

3,050

1,750

2,050

2,350

50~64歳

2,200

2,600

2,950

1,650

1,950

2,250

65~74歳

2,050

2,400

2,750

1,550

1,850

2,100

75歳以上

1,800

2,100

1,400

1,650

レベル 内容

I(低い)

ほとんど運動しない、座り仕事など

II(普通)

職場での移動や軽い運動、通勤など

III(高い)

毎日スポーツをしたり、重労働など

厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』より引用

Q&A:カロリーが取れれば何を食べてもいいの?

三大栄養素、「炭水化物、たんぱく質、脂質」の3つをバランスよく取ることが必要です。

炭水化物は体や脳を動かすための主要なエネルギー源となります。ごはんやパン、果物などに含まれる炭水化物は、体内でブドウ糖に分解され、脳や筋肉に効率的にエネルギーを供給します。特に脳はブドウ糖しかエネルギー源として利用できないため、日常生活や勉強、仕事の集中力を維持するために欠かせません。

たんぱく質は体を作る材料として非常に重要です。
肉、魚、卵、大豆製品などに多く含まれるたんぱく質は、筋肉、臓器、皮膚、血液、ホルモン、酵素、免疫細胞など、様々な体の構造や機能に関わります。たんぱく質が不足すると筋力低下や免疫力の低下を引き起こすため、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。

脂質はエネルギー源として重要で、炭水化物やたんぱく質よりも高いエネルギー効率(1gで9kcal)を持ちます。油やナッツ、魚(特に青魚)などに含まれる脂質は、細胞膜やホルモン、神経の構成成分として体の機能維持に必要不可欠です。また、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収に働きかけて、体内でのビタミン不足を防ぎます。

このように、炭水化物、たんぱく質、脂質は、それぞれ異なる役割を持ちながら私たちの健康を支えています。

例)1日2,000Kcalを摂取する場合の割合

  • 炭水化物:1,000〜1,300kcal
  • タンパク質:260〜400kcal
  • 脂質:400〜600kcal

1日の総エネルギー(カロリー)の中で、炭水化物、たんぱく質、脂質が占める理想的な割合は、炭水化物が50~65%、たんぱく質が13~20%、脂質が20~30%とされています。

塩分

1日の塩分摂取量(食塩摂取量)の基準は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、男性7.5g未満、女性6.5g未満としている。また日本高血圧学会では1日6g未満、WHO(世界保健機関)では1日5g未満としています。

ただし、日本人の1日あたりの平均塩分摂取量(食塩相当量)は、厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、男性で約10.9g、女性で約9.3gと報告されており、(2021年データ)、基準値よりも塩分のとりすぎだと言えるでしょう。

日本では、伝統的な和食の味噌汁、漬物、醤油などに塩分が多く含まれていることが、塩分摂取量を押し上げる要因のひとつです。
ちなみに、ラーメン一杯の塩分量は(種類によっても異なります)、約6g前後と言われています。

高脂肪(食事)

高脂肪食とは、1日の総エネルギーに対して脂質(油・脂肪分)が多く含まれている食事といわれています。一般的には、脂質が総エネルギーの30%以上を占める食事が目安とされています。

具体的な高脂肪食の例

  1. 揚げ物(フライドチキン、天ぷら、唐揚げ)
  2. 脂身の多い肉(バラ肉、カルビなど)
  3. ベーコン、ソーセージ、ハムなどの加工肉
  4. クリームたっぷりのケーキや洋菓子
  5. ファストフード(ハンバーガー、ポテトフライ)
  6. チーズやバターを多用した料理(グラタン、ピザ)

日本の伝統的な和食は、もともと魚や大豆製品中心で脂質が少なめ(総エネルギーの20〜25%程度)でした。しかし、戦後の食生活の欧米化に伴い、肉類、乳製品、油脂の摂取が増加し、特に若い世代では脂質エネルギー比率が30%を超える人も増えてきています。
例えば、朝食に菓子パン、昼食にファストフード、夕食に揚げ物を多くとる食生活だと、脂質過多になりやすいです。

運動はどれくらいが目安

成人(18~64歳)の場合

  1. 有酸素運動:中強度(速歩、軽いジョギングなど)で週150分以上(1日30分×週5日など)または高強度(ランニング、スポーツなど)で週75分以上
  2. 筋力トレーニング:週2~3回(スクワット、腕立て伏せ、体幹トレーニングなど)

高齢者(65歳以上)の場合

  • 有酸素運動:成人と同様に週150分以上(無理のない範囲で)
  • 筋力トレーニング:転倒予防やロコモ予防のため、週2回以上(スクワット、踵上げ、椅子立ち上がり運動など)
  • バランス運動:片足立ちやストレッチを組み合わせると◎

中強度運動って?

  • 速歩(早歩き)
  • 自転車(ゆっくり)
  • 軽いダンス
  • 庭仕事や家事(少し息が上がる程度)

「会話はできるけれど歌は歌えないくらいの強さ」が目安です。

年齢による違い

年齢が上がると筋力・バランス能力が低下しやすいので、65歳以上では筋トレやバランス運動を重点的に取り入れると転倒や骨折予防にもつながります。

また、若年層(18~40代)であれば、運動強度を少し上げ、心肺機能向上やメタボ対策にも効果的です。

筋力トレーニングの目安(週2〜3回)

1つの種目につき10〜15回を1セット行います。

それを2〜3セット繰り返すのが理想的です。

具体的な種目と回数例

種目 回数・セット数

スクワット

10〜15回 × 2〜3セット

腕立て伏せ(膝つきでもOK)

10回 × 2〜3セット

かかと上げ(つま先立ち)

10〜15回 × 2〜3セット

椅子立ち上がり

10回 × 2〜3セット

最初は1セットからでもOK無理をしない範囲で少しずつ増やすことが大切です。
筋肉を休ませるため、同じ部位は週2〜3回程度に留め、間の日は休ませる(筋肉の回復)
正しいフォームでゆっくり行い、反動をつけずに動作するのが安全です。

※既往歴や病状によってはこの限りではありませんので、主治医などに相談をして下さい。

飲酒量

日本の厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコールで約20g程度とされています。これは、健康リスクを最小限に抑えるための目安です。

  • 毎日飲む場合は1日20g以下が目安。
  • 飲まない日(休肝日)を週に2日は設けるといいでしょう。
  • 女性や高齢者は、体質的にアルコール分解能力が低いことが多いので、さらに少なめを推奨。

「健康日本21(第二次)」では、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」を、1日当たりの純アルコール摂取量が男性で40g以上、女性で20g以上と定義していますので、飲み過ぎには注意が必要です。

【  純アルコール20gの目安量(目安なので個人差あり) 】

酒類 目安量

ビール(5%)

中瓶1本(500ml)

日本酒(15%)

1合(180ml)

焼酎(25%)

0.6合(約110ml)

ワイン(12%)

グラス2杯弱(200ml)

ウイスキー(40%)

ダブル1杯(60ml)

※生活習慣病のリスクを高める飲酒量(純アルコール量)を計算する式は、
飲酒量(ml) × アルコール度数(%)/ 100 × 0.8 です。
例えば、500mlのビール(アルコール度数5%)を飲んだ場合、純アルコール量は20gとなります。

ストレス

ストレスは、生活習慣病の発症や悪化に大きな影響を与えます。

ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が活発になります。その結果、血圧や心拍数が上昇し、ストレスホルモン(コルチゾールなど)が多く分泌されます。これが長く続くと、血管が傷つきやすくなり、動脈硬化の進行を促すことになります。

また、コルチゾールの影響でインスリンの働きが悪くなり、血糖値が高くなりやすくなるため、糖尿病のリスクも高まります。ストレスによって食欲が乱れ、甘いものや脂っこいものを過剰に摂取したり、逆に食欲が落ちて栄養が偏ったりすることもあります。さらに、ストレス解消のために飲酒や喫煙の量が増えると、これも生活習慣病のリスクをさらに高めます。

加えて、ストレスは睡眠の質を悪くし、不眠や中途覚醒を引き起こすことがあります。睡眠不足が続くと、食欲を増加させるホルモンのバランスが崩れ、肥満や糖尿病になりやすくなります。

このように、ストレスは血管障害や糖代謝の異常、食生活の乱れ、飲酒・喫煙、睡眠障害など、さまざまな面から生活習慣病を引き起こす要因となります。そのため、ストレスをうまくコントロールし、十分な睡眠や規則正しい生活習慣を整えることが、生活習慣病の予防にとってとても大切です。

Q&A:ストレス解消法は?

ストレス解消法にはさまざまな方法がありますが、一般的に効果的とされているのは、まず適度な運動を生活に取り入れることです。ウォーキングやジョギング、ストレッチ、ヨガなどの軽い運動は、心身のリフレッシュに役立ち、ストレスホルモンを減らし、気分を安定させるホルモン(セロトニンなど)の分泌を促してくれます。

また、趣味の時間を作ることもストレス解消に大切です。音楽鑑賞や読書、絵を描く、映画を見る、ガーデニングや手芸に没頭することで、自然と心が落ち着き、リラックスできます。さらに、深呼吸や瞑想、アロマテラピーなどのリラクゼーション法を取り入れることで、心を落ち着ける時間を確保することも有効です。

人とのコミュニケーションもストレスを和らげる大きな要素です。家族や友人と話をしたり、一緒にランチに行ったりすることで気持ちが軽くなりますし、愚痴をこぼすだけでも気分転換になります。さらに、十分な睡眠をとることも重要です。睡眠不足はストレスへの抵抗力を下げてしまうため、規則正しい生活で睡眠を確保することが望ましいでしょう。

仕事や家事の合間に短時間でも休息をとることや、週末に温泉や自然の多い場所に出かけるなどの旅行でリフレッシュするのも効果的です。

最後に、「笑う」ことも大切です。お笑い番組や漫画、ペット、友人との楽しい会話などで笑うと、ストレスホルモンを減らす効果があることが知られています。

このように、ストレス解消法には運動、趣味、リラクゼーション、人との交流、睡眠、休息、そして笑いなど、いろいろな方法があります。大切なのは、無理をせず自分に合った方法を見つけ、毎日の生活に取り入れることです。これらを続けることで、心身の健康を保ち、生活習慣病の予防や改善につなげることができます。

長年行ってきた生活習慣を急に変えることは逆にストレスになりますし、とても大変なことですが、少しずつ意識して見てはいかがでしょうか。

この記事の執筆者

合同会社Sparkle Relation
代表 小林輝信

北里大学薬学部卒業
【資格】
認定 薬剤師/介護支援専門員/iACP認定/MBA/

【所属団体】
一般社団法人全国薬剤師・在宅療養支援連絡会(J-HOP)会長
一般社団法人日本アカデミック・ディテーリング研究会 理事
日本老年薬学会所属
日本服薬支援研究会所属