サプリメントとは?

サプリメントとは

サプリメントとは

サプリメント(supplement)とは、通常の食事で不足しがちな栄養素を補うために利用される食品のことを指します。

日本では「栄養補助食品」や「健康補助食品」とも呼ばれ、法律上は「医薬品」ではなく「食品」に分類されます。

「サプリメントとは、日常の食生活で不足しがちな栄養素(ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸など)を補うために用いる食品」です。

つまり、病気の治療や予防を目的とした医薬品とは区別され、あくまで「健康の維持・増進」を目的として、定義されています。

引用元:消費者庁WEBサイト(https://www.caa.go.jp/)

「保健機能食品」と「その他健康食品」に大きく分類

いわゆる健康食品は、「保健機能食品」と「その他健康食品」に大きく分類されます。

我が国では、健康の維持・増進を目的とした食品のうち、一定の基準や根拠をもって機能を表示できるものを「保健機能食品」として制度的に定めています。

この制度は、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品の3種類に分類され、それぞれに異なる目的・根拠・表示ルールが存在します。

特定保健用食品(トクホ)

特定保健用食品は、国(消費者庁長官)が個別に審査・許可する食品です。
申請には臨床試験などの科学的根拠を提出し、審査を経て「許可食品」として表示が認められます。整腸作用、血圧や血糖値の改善、脂肪吸収抑制など、特定の生理的機能や健康効果を表示することができる点が特徴です。

国の厳しい審査を通過しているため、信頼性が高い反面、申請には時間と費用がかかります。

代表的な成分には、乳酸菌、オリゴ糖、難消化性デキストリン、茶カテキン、大豆イソフラボンなどがあります。

栄養機能食品

栄養機能食品は、ビタミンやミネラルなどの特定の栄養成分を補うことを目的とした食品です。

国が定めた基準量(1日の摂取目安量中に含まれる栄養素量が所要量の1/3以上、かつ上限値を超えない)を満たせば、届出や許可を必要とせずに販売できます。

表示できる内容は、あらかじめ消費者庁が定めた定型文に限られ、たとえば「ビタミンCは皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です」など、栄養素の一般的な生理機能に関する内容が中心です。

一方で、疾病の治療や予防を目的とする表示は認められておらず、パッケージには「特定保健用食品と異なり、個別審査を受けていない」旨の注意文言を明記する必要があります。比較的容易に販売できるため、多くのサプリメント製品がこの区分に該当しています。

機能性表示食品

特定保健用食品のように国の個別許可を必要とせず、企業が自らの責任で科学的根拠をもとに機能を表示できます。

販売前に消費者庁へ届出を行う義務があり、その際に科学的根拠(臨床試験データまたは文献レビュー)と安全性情報を提出しなければなりません。

表示できる機能は多岐にわたり、「記憶力の維持」「睡眠の質の改善」「脂肪の吸収を抑える」など、体調維持や生活習慣に関わる幅広い効果が対象となる。

使用される主な成分には、GABA、ルテイン、難消化性デキストリン、イソフラボンなどがありますが、審査は行われないため、表示内容の科学的妥当性については事業者の責任が問われます。

引用元:消費者庁WEBサイト(https://www.caa.go.jp/)

サプリメントの「効く」とはなにか?

サプリメントにおける「効く」という言葉は、医薬品の「効く」とは意味が異なります。

医薬品は、病気の治療や予防を目的としており、臨床試験などにより効果と安全性が科学的に証明され、国(厚生労働省)から承認を受けます。一方、サプリメントは、日常の食生活で不足しがちな栄養素を補い、健康の維持や体調の調整を目的とするものであり、疾病の治療や予防を目的としたものではありません。

そのため、サプリメントにおける「効く」とは、「不足している栄養素を補うことで、体の働きを正常に保つ」「健康状態をサポートする」といった意味であり、薬のように症状を直接的に改善させることを指すものではありません。

例えば、食事から十分なカルシウムを摂取できていない人がカルシウムやビタミンDを補うことで骨密度の低下を防ぐことは、「サプリメントが効いている」と言えますが、骨粗鬆症そのものを治療するような「治療効果」はサプリメントにはありません。

つまり、サプリメントの「効く」とは、「病気を治す」ことではなく、「不足を補い、健康の土台を支える」ことを意味します。したがって、効果の有無は個人の栄養状態や生活習慣、摂取の目的によって異なり、すべての人に同じように作用するものではないのです。

健康食品の表示のルールとは

サプリメントなどの健康食品は、基本的に医薬品ではないため、「治す」「改善する」「下げる」といった医薬品的な効能効果を表示することはできません。

しかし、一定の科学的根拠と国の定めた制度的要件を満たした場合には、限定的に「下げる」や「おだやかにする」などの表現が認められることがあります。

このように表示が可能となるのは、保健機能食品制度に基づく3つの区分のうち、「特定保健用食品(トクホ)」および「機能性表示食品」に限られています。

まず、特定保健用食品(トクホ)は、企業が臨床試験などの科学的データを提出し、消費者庁長官の個別許可を受けた製品であるため、明確なヒト試験の根拠に基づいて、「血圧が高めの方に」「血糖値の上昇をおだやかにする」「おなかの調子を整える」などの表示が認められています。
つまり、国が効果と安全性を審査し、正式に承認した場合のみ、「下げる」などの文言を使用することができます。

次に、機能性表示食品では、特定保健用食品のような個別許可は不要であるが、販売前に企業が自ら科学的根拠(ヒト試験または文献レビュー)を収集し、消費者庁へ届け出を行う必要があります。

この制度の下では、「中性脂肪が高めの方に」「記憶力を維持する」「睡眠の質を改善する」など、体調維持や生理的機能をサポートする旨の表示が認められています。
ただし、あくまで事業者の責任において科学的根拠を示すものであり、国による個別審査や保証は行われません。

一方、栄養機能食品については、特定の栄養素(ビタミン、ミネラルなど)の補給を目的とした食品であり、「骨の形成に必要」「皮膚や粘膜の健康維持に役立つ」といった定型文のみが使用可能です。

「下げる」「改善する」といった疾病や数値の変化を示唆する表現は一切認められていません。このように、サプリメントで「下げる」「おだやかにする」などの表現を使うことができるのは、科学的根拠が明確であり、消費者庁の制度に則って手続きを行った製品のみです。それ以外の一般的な健康食品や未届出のサプリメントが同様の表現を用いることは、薬機法や景品表示法に抵触するおそれがあり、厳しく規制されています。

サプリメントの安全性と注意点

■「食品」でもリスクはあるという認識

サプリメントは医薬品ではなく「食品」に分類されるが、それゆえに、医薬品のような製造(製造工程での微生物・重金属・異物混入などのリスク)・品質(製造工程での微生物・重金属・異物混入などのリスク)・有効性(海外製品やネット販売品での虚偽表示・成分誤差)に関する厳格な審査を受けていないものがおおくあります。

こうしたリスクは、消費者が「自然のものだから安全」と誤解してしまう点にあります。

実際には、天然物でも製造管理や品質保証が不十分であれば有害となることがあります。

サプリメントの「効能」や「機能」をうたうためには、ヒトでの安全性・有効性を示す科学的根拠が必要です。

しかし、市販されている多くの製品は、「科学的根拠が不十分」、「臨床データがない」「成分量が実際とは異なる」といった問題を抱えていますし、その規制すらないものが多々あります。

サプリメントを利用する際には、以下の点に注意することが重要です。

  • 医薬品的な効果をうたう製品には注意(薬機法違反の可能性)
  • 複数サプリの併用や長期服用を避ける(過剰摂取リスク)
  • 基礎疾患や服薬中の場合は、相談する
  • 製造会社・原材料・届出番号を確認する
  • 体調変化があれば直ちに使用を中止し、受診する

特に在宅療養中や高齢者では、腎機能低下や栄養バランスの乱れが重なり、サプリメントの成分が蓄積・影響しやすいため、慎重な対応が求めらます。

誰に聞けばいいの?

  • サプリメント(健康食品)が自分に合っているのか?
  • 飲み合わせや現在の疾患との兼合いは?

などは、購入先の薬剤師や現在おかかりの薬局の薬剤師に相談してください。
薬剤師は成分名で判断できますので、ぜひご活用ください。

この記事の執筆者

合同会社Sparkle Relation
代表 小林輝信

北里大学薬学部卒業
【資格】
認定 薬剤師/介護支援専門員/iACP認定/MBA/

【所属団体】
一般社団法人全国薬剤師・在宅療養支援連絡会(J-HOP)会長
一般社団法人日本アカデミック・ディテーリング研究会 理事
日本老年薬学会所属
日本服薬支援研究会所属