【お役立ち情報】頭脳系レクリエーションの紹介

頭脳系レクリエーションの紹介

頭脳系のレクリエーションは、認知機能の低下を防ぎ、記憶力や判断力、集中力の維持に役立ちます。

また、会話や交流のきっかけにもなり、心の活性化にもつながります。実際に施設で行っている活動例なども交えてご紹介いたします。

頭脳系レクリエーションを行うことで得られる効果

1. 認知機能の維持・活性化
クイズやパズル、計算ゲームなどは脳のトレーニングになります。特に記憶力・集中力・判断力を使うことで、認知症の予防にも効果が期待されます。

2. 感情の安定とやる気アップ
「できた!」「思い出せた!」という体験は、自信や達成感につながります。日々のやる気や楽しみを引き出す助けになります。

3. 会話や交流が増える
ことば遊びや連想ゲームなどは、自然に会話が生まれ、コミュニケーションの促進につながります。脳も心も元気に保ちます。

4. 心のリフレッシュ
頭を使う活動は気分転換になり、気持ちのメリハリがつきます。落ち込みや不安感を和らげる効果もあります。

5. 規則的な刺激が脳を守る
週に何回か定期的に頭を使うと、脳が「活発な状態」を保ちやすくなります。日常生活のリズム作りにも◎。

認知機能向上系レクリエーションの紹介

脳トレプリント

脳トレプリントは、楽しみながら脳を活性化できる問題を集めたプリント教材です。計算や漢字、間違い探し、ナンプレ(数独)など、さまざまなジャンルを通じて集中力や記憶力、発想力を高めるお手伝いをします。

計算問題

足し算・引き算・掛け算・割り算を中心に、シンプルながらも頭をフル回転させる問題をご用意。毎日の習慣にすることで、数字への反応がスピーディーになります。

漢字問題

読み書きや書き取り、熟語の完成など、バラエティ豊かな漢字問題に挑戦!語彙力や記憶力のトレーニングに最適です。昔習った漢字を思い出す楽しさも味わえます。

間違い探し

イラストの中から違いを見つける人気の脳トレ。
観察力や注意力を高めるのに効果的で、リラックスしながら取り組めるのも魅力です。

介護施設で人気の言葉遊び

しりとり

定番中の定番! 誰でも知っている遊びで、テーマをつけたり、カードやイラストを使ってアレンジできます。

【例】

食べ物しばり、動物しばり、絵しりとり など

なぞなぞ

考えることで脳が活性化し、記憶力や集中力の維持にも役立ちます。
やさしい問題が多く、答えがわかったときのうれしさも格別です。
みんなで一緒に取り組めば、自然と会話も弾みます。

【例】

1. 白くてふわふわ、お空に浮かんでるものな〜んだ?     →こたえ:くも(雲)
2. 夜になると出てくる、丸くて明るいものはな〜んだ?   →こたえ:つき(月)

文字探し(言葉さがし)

決められた文字を使って、言葉をできるだけたくさん挙げていくゲーム。

語彙力と発想力を使います。

【例】

「“は”で始まる言葉を10個出そう!」(はさみ、はな、はっぱ…)

連想ゲーム

お題の言葉から、思い浮かぶものを順に言っていく遊び。

会話が自然に広がります。

【例】

「さくら」→「はな」→「うめ」→「はる」→…

穴埋め言葉ゲーム

ことわざ・慣用句・歌詞などの一部を隠して、当てるクイズ形式。昔の知識が役立ち、懐かしさも感じられます。

【例】

「○○より団子(花)」「犬も歩けば○にあたる(棒)」

💡 遊びの工夫

  • 難しすぎないレベルに調整する
  • しゃべりを止めず、答えを急がせない
  • カードやホワイトボードを使って視覚的にサポートを交える。

介護施設で人気のカードゲーム

神経衰弱(ペア合わせ)

【基本ルール】裏向きに並べたカードを順番に2枚ずつめくり、同じ絵柄を揃えるゲーム。

効果

  • 記憶力や集中力の向上
  • 視覚認識のトレーニング
  • 手を使うことで脳への刺激にもなる

💡 【ポイント】

  • トランプに限らず、絵柄は大きめ&見やすいものを使用(例:果物、動物、季節のイラストなど)。

七並べ

【基本ルール】トランプの「7」から順に数字を並べていくゲーム。

効果

  • 数字の認識力や先を読む力の向上
  • 手札の管理を通じて短期記憶の刺激

カルタ

【基本ルール】読み札を聞いて、対応する取り札を素早く取る。

効果

  • 聴覚と視覚、動作の連動(反射神経の訓練)

読み札の内容が昔話や季節などに関連していると、思い出や会話のきっかけにも

💡 【ポイント】

  • 大きめの文字・絵、わかりやすい内容のカルタを使用

囲碁

【基本ルール】相手の石を完全に囲むと、その石が取られます。石を置ける場所がなくなり、両者がパスしてゲームが終わります。

【盤面】囲碁は19×19の格子状の盤を使いますが、初心者や高齢者向けには、9×9や13×13の小さな盤を使うこともあります。

【石の配置】2人で交互に黒と白の石を盤に置きます。


将棋

【基本ルール】戦略を立てて相手の「王」を取るゲーム。

【盤面】9×9のマス目の盤で行います。

【駒の種類】将棋には16個の駒があり、それぞれに動き方が異なります。主な駒は「歩」「角」「飛」「金」「銀」「王」などです。

💡 簡単にする工夫

  • 駒を減らす:将棋の駒を減らして、シンプルなルールで始めます(例えば、「王」と「金」「銀」だけでプレイ)。
  • 手番をゆっくり進める:時間を気にせず、じっくりと考える時間を与えることで、参加者がリラックスしてプレイできるようにします。
  • 視覚的にわかりやすい駒を使う:(大きめの駒や色分けされた駒を使用)。

オセロ(リバーシ)

【基本ルール】白と黒の石を交互に置き、相手の石を挟んで自分の色にひっくり返す。

盤面が全て埋まるか、置ける場所がなくなるまで行い、ひっくり返した石の数が多い方が勝ちです。

【盤面】8×8のマス目のボードを使用します。

【石の配置】初めに中央に白と黒の石を4つ配置します。その後、交互に石を置き、相手の石を挟んで裏返していきます。


麻雀(マージャン)

【基本ルール】 麻雀の基本は、3枚の同じ牌や順番の牌(パイ)を作ること。特定の組み合わせ(役)を作って、点数を取ります。役を完成させ、上がること(勝つこと)が目的です。

【牌】麻雀は136枚の牌を使います。数字が1~9の筒子、索子、字牌(東・南・西・北・中・発・白)があります。

💡 簡単にする工夫

  • 簡易版麻雀:全ての牌を使わず、簡単なルールでプレイ(例えば、「リーチ」や「ツモ」を省略する)にする。
  • 牌を大きくする:視認性の高い大きな牌を使い、読みやすくします。
  • 参加者に合わせて時間をゆっくり進める:進行をスローにし、理解を深めながら行います。

頭脳系・スポットライト!!

 

◎とある施設の対局インタビュー・「囲碁勝利のTさん」(80代男性)

今日は、いつものSさんとの対局だったんだ。あの人は本当に強くてね、いつもギリギリの勝負になる。でも、今日は違った。この碁石がすっと導いてくれたような気がしたんだよ。

Sさんが「参った」と言ったとき、え?本当?って思いながら碁盤を見つめていたら、だんだん嬉しさが込み上げてきた。

 

最近は、自分の部屋に何を取りに行ったかも忘れちゃうし、朝か夜かもわからないときがある。でも、この碁盤の前だけは、しっかりしてる気がするんだ。昔、若かった頃、息子と囲碁を打った記憶も、ふっと浮かんできてな。あの頃の景色も声も、全部よみがえってくる。なんだか不思議だな。

Sさんも笑って「今日はTさんに一本取られたよ」って言ってくれてうれしかったなぁ。勝ったこともそうだけど、こうやって、誰かと向かい合って、同じ時間を共有して、笑い合える。そんな仲間がいるそれが何より幸せなことなんだって思ったよ。

…また明日も打ちたいな。忘れてしまうことが多くなっても、囲碁の時間だけは、忘れたくないなぁ。

 

◎とある施設の対局インタビュー「将棋勝利のSさん」(70代男性)

将棋なぁ…それだけは譲れないんだ、なんせ子供の時からやっているからな。

囲碁はTさんの方が上手いって、そりゃわかってる。あの人の打ち方は丁寧で読みが深い、だから敵わない。でも将棋だけは――Tさんには負けられないんだよ。

今では人やいろんな物の名前を忘れても、王手飛車取りはちゃんと見える。

Tさんも最近、将棋を勉強してる。詰将棋なんかも時々やるがなかなかの腕の持ち主だ。でもな、盤に向かえば、まだまだわしが一枚上手。角の利き、銀の使い方、守りの固さ――全部、長年染み込んだものがある。

 

この前も、「今日は勝てるかもしれん」とTさんが言ってきたけど、ふたを開けてみりゃ、わしの完勝だ。終わった後に「やっぱりSさんには敵わんわ」って笑いながら言うTさんの顔を見て、ちょっと嬉しかった。

将棋は、わしにとって“自分である証”忘れることが増えても、指し手だけは、ずっとここにある。だから明日も、Tさん、将棋やろか。囲碁ではまた負けるかもしれないけど――将棋では、まだまだわしが先生だ。

このお二方の対局はある施設での一場面です。

このようなきっかけづくりを、私ども日本アメニティライフ協会では大切に、その人らしさを演出するお手伝いを行っています。

この記事は介護福祉士に監修されています

介護福祉士
青木 いづみ

母親の認知症をきっかけに、サービス業から介護の道へ転身。サービス業で培ったコミュニケーション力と、介護職員や施設長としての知識や経験を活かし、入居相談員として家族が抱える悩みに寄り添っています。介護現場の視点、利用者目線、専門知識を基にした丁寧な相談を行っています。