【お役立ち情報】レクリエーションの紹介・クラフト系

レクリエーションの紹介・クラフト系

クラフト系レクは手先を使い楽しめる活動で、リハビリや交流、達成感にもつながります。

クラフト系レクは集中力を高めることや達成感などから自信を持つことにもつながります。

介護施設のクラフト系レクリエーションとは?

クラフト系レクリエーションは、手作業で物を作る活動です。素材を使って、形を作ったり、飾ったりすることが目的で、手先を使うことでリハビリにもなります。

また、集中力を高めたり、達成感を得ることで自信にもつながります。
シンプルな作業から少し複雑なものまで楽しめ、個性が作品に表れるため、作品を見せ合うことで利用者様同士のコミュニケーションも生まれます。

クラフト系レクリエーションの効果

  1. 脳の活性化

クラフトは創造的な作業なので、脳のいろいろな部分を使います。特に手指を使う作業は、脳の働きを良くし、認知症予防にも効果があるとされています。

  1. 集中力の向上

クラフト活動では、手先を使って形を作ったり、色を塗ったりするので、集中して行うことができます。この集中は脳の中のリフレッシュにもなり、もうストレスが緩和され穏やかな気持ちを保つのに役立ちます。

  1. 達成感と充実感を得られる

何かを作り上げることで「できた!」という達成感が得られます。この感覚は、自信や自己肯定感を高め、元気をもらうことにつながります。

  1. コミュニケーションの促進

一緒にクラフトをすることで、他の利用者やスタッフと自然に会話が生まれます。「どうやって作ったの?」や「これも素敵だね」といった言葉がけが、人とのつながりを感じさせ、安心感を与えます。

クラフト系レクリエーションの例

1.折り紙

折り紙は、一枚の紙を使って折るだけで、花や動物・飾り物などを作る伝統的な遊びです。特別な道具がいらず、シンプルな作業から始められるため、高齢者にも取り組みやすいレクリエーションです。折り紙などを折って、動物や花などの作品を作ります。市販の折り紙や千代紙だけでなく新聞紙や広告などを使い、大きな作品も作ります。

【 メリット】

  • 手軽にできるので、誰でも参加しやすい。
  • 手を使うことで、指先のリハビリや集中力を養える。

2.塗り絵

色が塗られていないあらかじめ描かれた絵を、色鉛筆やクレヨンで塗ります。

介護施設では、季節の絵柄や昔懐かしい風景、動物、花などを題材にすることが多く、現在は「おとなの塗り絵」や童謡や懐かしの歌などの題材の塗り絵など、大人向けに作られた塗り絵があります。

【 メリット 】

  • 誰でも参加しやすい。
  • 余暇の時間をリラックスして過ごせる。
  • 個性を活かし、自由に楽しめるのが魅力です。

3.ビーズアクセサリー作り

アクリルビーズなどを使って、ブレスレットやネックレスを作ります。ビーズを使ったアクセサリーは、色や形を自由に選ぶことができ、達成感や自己表現にもつながります。さらに、リハビリ効果も期待でき、手や指の機能の維持や向上にも有効です。

粒も大きめのもの、穴の大きめのビーズを選び、通す糸も弾力性のあるゴム製のものを選ぶと工程が進みやすく、また腕周りの大きさなどの調節がしやすくなります。

【 メリット 】

  • 手先を使うので、リハビリや脳の活性化に良い。
  • 自分だけのアクセサリーを作る楽しさがある。
  • 完成した作品は、自分で身につけて楽しむこともできます。

4.粘土細工

粘土を使って動物や花、食べ物などを作ります。

【 メリット 】

  • 形を作ることで、手先の運動になる。
  • 創造力を引き出し、完成したものを見ると達成感が得られる

5.ちぎり絵(ちぎり紙)

ちぎり絵は折り紙など紙を手でちぎって貼るだけのシンプルな作業ですが、紙をちぎって形を作り出すことで、集中力も高まっていきます。

利用者様にとっては、指先を動かすことがリハビリにもつながり、脳への刺激にもなります。

細かい作業を行うことで、認知症の予防にも役立つとも言われています。

色とりどりの紙を使って自分の手で形を作ることは完成した達成感を感じるとともにできた作品にも愛着を感じます。

【 メリット 】

  • 紙をちぎる作業がストレス解消になる。
  • 行程や作業が簡単で、誰でもできるため安心。
  • 役割分担もでき、自分が出来ることを役割としても行える。

6.デコレーションクラフト

「デコレーションクラフト」は、「デコレーション(飾る)」+「クラフト(工作)」を合わせた言葉です。

介護施設などで取り入れられているクラフト系レクリエーションのひとつで、飾りつけ(デコレーション)を楽しむ工作活動です。シールやリボン、ビーズ、折り紙、フェルトなどを使って、自由にデザインしながら作品を作っていきます。

【 メリット 】

  • 個性を表現できるので、楽しみながら作れる。
  • 完成品はプレゼントにも活用できる。
  • 材料は身近なものでそろえやすく、ペットボトルなどを再利用して作ることもできます。

「デコレーションクラフト」の具体的例

  • 季節の壁飾り(春:桜、夏:ひまわり、秋:紅葉、冬:雪だるまなど)
  • うちわや扇子のデコレーション
  • フォトフレーム作り
  • 紙皿や紙コップを使った立体作品
  • 敬老の日・母の日のプレゼント作り
  • カレンダーやカードの装飾

7.習字・筆文字

「習字」は、筆と墨を使って文字を書く日本の伝統的な文化活動です。

介護施設では、正式な書道というよりも、“楽しむ”ことを目的としたやさしい習字活動が中心となっています。

上手に書くことより、「書くことそのものを楽しむ」ことが何より大切とされています。

【 メリット 】

  • 墨の香りや筆の動きは、気持ちを落ち着ける効果がある。

  • 習字を習っていた方も多く、日本伝統の文化に触れることができる。

  • 自分の好きな言葉を書いて表現する喜びを感じることができる。

【 よく書かれる言葉(例) 】

  • 「感謝」「ありがとう」「笑顔」「家族」「健康」「希望」

  • 季節の言葉:「春風」「紅葉」「雪景色」「七夕」

  • 行事の言葉:「敬老の日」「新年」「節分」「ひなまつり」

月別のクラフトレクリエーションのテーマ

1月 干支の飾り作り、雪だるま
2月 ハートのちぎり絵
3月 ひな祭りの飾り
4月 桜のカード作り
5月

こいのぼり作り

6月 アジサイの折り紙飾り
7月 七夕の飾り
8月 うちわ絵付け
9月

お月見の切り絵やちぎり絵

10月 ハロウィンのかぼちゃ飾り
11月

紅葉の貼り絵

12月

クリスマスカード、年賀状作り

高齢者にとってのクラフトの工夫

  • シンプルで簡単な作業から始める(難しい工程は職員がサポートする)。
  • 色や素材を自由に選べるようにして、個性を尊重する。
  • 見本を示すことで、参加者が安心して取り組める。
  • 褒めることで、参加者が自信を持つように声かけする。

クラフト系・スポットライト!!

鮮やかな【ぬりえ画伯】」(Oさん・90代女性)

ああ、もう、こんなおばあさんの話を聞いてくれるなんて、うれしいわ。

ここに来てから、ぬりえができる時間が楽しみになったんですよ。昔から、ちょっとした手仕事が好きでね。若いころは子どもたちに服を縫ってあげたり、ちょっとした飾り物を作ったりすることが好きだったの。でも、歳をとってきて、細かいことがだんだんと難しくなってきたけれど、このぬりえはまだできるのよ。

毎回、レクリエーションでぬりえをする時間が始まると心がうきうきするの。私は線の中をきれいに塗るのが好きでね、はみ出さないように、ゆっくり丁寧に一生懸命塗るのよ。一生懸命にやっているけれど不思議なの、色を塗るだけで、なんだか心が落ち着くのね。それに集中していると、周りのことが気にならなくなって時間も忘れてしまうのよ。そうするともう夕飯の時間だったりすることがいつもなの。

みんなが「Oさんの塗り絵はきれいね」って言ってくれると、嬉しくてね。お世辞かもしれないけど、やっぱり褒められると、もっと頑張ろうって気になる。だから時間も忘れて一生懸命に頑張ってしまうのね。

私の部屋には、色鉛筆で塗った花や景色の「ぬりえの作品」が飾ってあって、それを見ると、なんだか「今日もよくやったな」って、思っているの。それに、出来上がったぬりえをみんなと見せ合うのも、いいわよね。

歳をとると、物忘れてしまったり、出来なくなるものがあったりが増えるけど、ぬりえだけはちゃんと覚えてるの。昔から手を使うことが好きだったから、今でも手が動かしていると、ほっとするのよね。これからもできるかぎり、きれいな作品を残しながら少しでも楽しい時間を過ごしたいと思っている。

やっぱり、こういう小さなことでも、一つ一つ大事にしながら生きていくって、いいものね。

クラフト系レクリエーションは、手先を使いながら楽しくものづくりを行う活動で、自ら作り上げる喜びを感じることができるため、認知症予防や、やりがい・充実感の向上につながり、自信にもなります。

また、他の利用者と一緒に楽しむことでコミュニケーションが深まり、施設内には温かい雰囲気が生まれます。これも、心と体の健康を支える大切なレクリエーションのひとつです。

私ども日本アメニティライフ協会では、様々なレクリエーションが楽しめるよう準備をしております。お一人お一人が有意義な時間を過ごせるお手伝いをさせていただいております。

この記事は介護福祉士に監修されています

介護福祉士
青木 いづみ

母親の認知症をきっかけに、サービス業から介護の道へ転身。サービス業で培ったコミュニケーション力と、介護職員や施設長としての知識や経験を活かし、入居相談員として家族が抱える悩みに寄り添っています。介護現場の視点、利用者目線、専門知識を基にした丁寧な相談を行っています。