眼科往診
介護施設にて眼科往診を行うにあたっては多くのメリットがあります。

現在、日本アメニティライフ協会の施設では、眼科クリニックと提携し、「眼科往診」を行っております。
※一部対象外施設もございます。
眼科往診のメリット
介護施設にて眼科往診を行うにあたっては多くのメリットがあります。
眼科往診のメリットを整理していきます。
- ご家族、施設スタッフの受診による負担が軽減できます。
- 普段生活をされている場所で受診が可能となります。
- 視覚を守ることにより、生活の質(QualityOfLife)の向上が図れます。
- 症状によって投薬量・点眼回数を適宜柔軟に適切な対応が可能となります。
- 診療や処置、白内障の手術などの適切なアドバイスが可能となります。
- 通院が難しいことや自立歩行が困難な方には特に効果的にご利用いただけます。
視覚障害によって起こりうること
次に視覚障害によって起こりうることを整理していきたいと思います。
目の病気において、視力の低下や視野狭窄などの視覚障害を引き起こし、事故や転倒のリスクだけでなく、認知症のリスク上昇にもつながる可能性があります。しかし、加齢によって視力が低下するのは避けられないことではありません。
これらのリスクを軽減するためにも、目の健康を守ることはとても重要です。視覚の影響は多くの面で生活に影響を与えるため、日頃から目のチェックを定期的な心がけることが大切です。

眼科往診で行っていること
具体的に眼科往診で実施できることについて整理していきます。
眼科往診の内容
- 点眼薬などの処方箋の発行。
- 視力・眼圧・眼底検査その他屈折、角膜曲率半径測定などの検査。
必要に応じて細菌培養などの検査などを行います。 - 目に関する診断と治療を行います。
(白内障・緑内障・糖尿病網膜症、その他ドライアイ、ものもらいなど) - 定期健診による視覚の検査
高齢者に多い目の病気について

白内障とは
白内障は、加齢に伴い発症しやすい目の病気で、多くの高齢者に見られる視覚障害の一つです。健康な目でも加齢とともにかすみ目などの症状が進行し、視界が悪くなることがあります。
白内障は、目の中の水晶体が濁ることで発生し、この濁りによって物がはっきりと見えなくなる状態を引き起こします。
治療としては、症状の程度に応じて手術を行うことがあります。手術により視力が改善するケースが多いですが、一部の高齢者では完全に改善しない場合もあります。また、日常的な治療として目薬の点眼を数回行うことが推奨されます。
加齢により白内障の症状が現れる割合は高く、80代ではほぼ100%の人に何らかの症状が見られると言われています。適切なケアと早期診断が重要となってきます。
白内障が進行すると緑内障を引き起こすことがありますので、注意が必要です。
白内障になって起きてくるサインと症状
- 視界がぼやける・かすむ
- まぶしい
- ものが見えにくい
- ものがだぶって見える
- 色の区別が付きづらい
- 暗い場所でものが見えにくい
- 黒目の白濁化。
介護施設で、生活している利用者様は、徐々に症状が進んでくることが多いことや、認知症などの症状などがある場合、症状として伝えることが難しい点もある為、ご本人の様子から、目に変調を起こしている可能性を見つけるヒントもあります。
例えば、レクリエーションで行う中で塗り絵などをすると濃く色を塗ったり、違う色を塗ったりするような状況が出てきた場合など、これまでなかったことを急に行うことが増える場合には、利用者の目の見え方が変わっている場合があります。
また、天気の良い日などに眩しさを訴えることが増えたり、障害物に気づかず衝突してしまったりする場合などは、目の病気が原因となる部分がありますので医師に相談することをお勧めしております。
緑内障とは
緑内障は、目の奥にある視神経が障害されることで、視野が狭くなったり視力が低下したりする目の病気です。
眼圧の上昇が主な原因とされており、痛みを伴う場合もあります。現在の日本では、緑内障は後発性失明原因の第1位とされており、その深刻さが指摘されています。
治療は主に薬剤によるものですが、症状や進行状況に応じてレーザー治療や手術が行われることもあります。緑内障は外見からは病気に気づくことが難しく、初期症状もほとんど感じられないため、多くの場合、「おかしい」と感じたときには病気がかなり進行していることが多いのが特徴です。
症状は徐々に進行し、視野が狭くなって見える範囲が減少していきます。適切な治療を受けずに放置すると、最悪の場合は失明に至ることもあります。早期発見と継続的な治療が非常に重要な病気です。
緑内障の主な症状
- 視野がだんだん狭くなる
- まれに「急性緑内障発作」により、目の痛み、目のかすみ、充血、頭痛、吐き気が出現することがある
緑内障の症状は見逃してしまう場合が多いため、視野が狭くなる状況に自覚がある場合は、眼科で眼圧検査などを受けることで発見できることがあります。
例えば、パソコンを使われる方等は、マウスの矢印が見つけにくくなったりする場合に、視野や視覚に支障が出てくる場合には緑内障にかかっている場合が考えられます。
糖尿病網膜症とは
生活習慣病である糖尿病の合併症として起こる目の病気です。
糖尿病網膜症とは、糖尿病の影響で網膜の血管に傷がつき、視力低下や目のかすみが起こるほか、最悪の場合失明に至る怖い病気です。日本での中途失明原因の2番目に多い原因が糖尿病網膜症です。
糖尿病を患っている期間が長い患者様ほど、糖尿病網膜症を発症する確率が高いと言われています。その為治療も、目の症状だけでなく糖尿病の血糖コントロールも含めて行われます。
糖尿病網膜症の主な症状
- 物が歪んで見える、視界がかすむ
- 飛蚊症の症状が起きる
- 眼底出血が起こる
- 症状が進行すると失明
- ドライアイ
ドライアイとは
ドライアイとは、涙が安定して目の表面を保護しにくくなることで、目の乾きや見えにくさなどが生じる病気です。
原因としては加齢のほか、パソコンなどによる目の使いすぎやコンタクトレンズの使用などが挙げられます。またエアコンの使用による目の乾燥なども関与していると考えられています。
ドライアイの一般的な症状
- 目の乾き
- 目の疲れやすさ
- 物が見えにくい
- 目がゴロゴロする
いずれも症状は不快感などですが、目がすっきりしないので、こすっているうちに、菌などが入り、ほかの眼病(ものもらいやはやり目等)を引き起こすことがあります。
また粘膜であるため、非常にデリケートな部分ですので、早めのケアが必要です。
正しい目薬のさし方
- 手を流水と石鹸で洗います。
- 少し上を向き、指で下まぶたを下にひき、目薬の容器の先がまぶたの縁やまつ毛にふれないように1滴点眼します。2滴3滴とさしても、溢れ流れてしまいます。
- 点眼後は顔の向きを戻し、しばらく目を閉じるか、目頭を軽く押さえるように1~5分ほど点眼した薬が目の奥の方へ浸透していくのを待ちます。この時、上を向いたまま目を開けたり目をパチパチさせると、せっかくさした目薬がこぼれ落ちてしまいます。
2種類以上の目薬を点眼する時は、5分以上間隔をあけて点眼するようにしましょう。点眼の順番については医師から指示が出ている時は、その指示に従ってください。
また、目薬にも使用期限があります。パッケージに書かれている使用期限は未開封の場合です。開封後は医療機関で処方された目薬は1ヶ月以内、市販の目薬は3ヶ月以内が目安と言われています。古いものを使い続けないようにしましょう。
◎保存方法
※冷蔵庫での保存も可能ですが、冷たい目薬を点眼するとめまいの様な症状が現れる場合もあります。

私ども日本アメニティライフ協会の施設では、早期発見、早期治療でできる限り視界がクリアな状態で快適に過ごしていただけるよう、提携眼科とともに眼科往診サービスを提供しております。
この記事は眼科医に監修されています

医療法人社団信成会いちべ眼科
院長 市邉 弘美
「不安を残さず、安心して帰っていただくことが私の使命です」
北里大学医学部 卒業。地域に根ざした診療を続け、患者さまに寄り添う医療を実践。訪問診療にも力を入れ、通院が難しい方への支援を大切にしています。丁寧な説明と信頼関係を何より重視しています。
この記事は眼科医に監修されています

医療法人社団信成会いちべ眼科
副院長 横田 弘幸
「来てよかった、と思っていただける診療を目指しています」
聖マリアンナ医科大学 卒業。専門外来や訪問診療を通じて、在宅でも安心できる医療を提供。わかりやすく誠実な説明で、信頼いただける診療を心がけています。地域の皆さまに寄り添う姿勢を大切にしています。