【お役立ち情報】服薬管理

服薬管理

利用者様が安心で健康な生活を送れるように「服薬マニュアル」に基づき服薬介護と服薬管理を行っております。

介護の事業所を利用する高齢者の方の多くは何らかの内服薬を処方されているケースが多く、その種類も非常に多品種で、私たちにもなじみのある薬や高齢者特有の薬、疾病に応じた薬など効能も含め多種多様です。

「服薬マニュアル」に基づく服薬介護と服薬管理

さらに薬効によっては服薬のタイミングに注意が必要なものもあります。介護職が自力での服用や管理が難しくなった高齢者の方に対して、確実に内服できるよう適切にサポートし、医療従事者は確実に内服できるよう管理を行わなくてはなりません。
もし服用の方法やタイミングを間違えたり、他者に内服させてしまったりすると、場合によっては命に関わることすらあります。高齢者の方が自身の薬を定められた服用方法で確実に内服することができるように、服薬には細心の注意をはらっています。

日本アメニティライフ協会の施設では、調剤薬局と連携を取り、安全に服薬を行い利用者様が安心で健康な生活を送れるように「服薬マニュアル」に基づき服薬介護と服薬管理を行っております。

利用者様が服薬する薬は一日ごとにお一人お一人のお薬を朝・昼・夕・就寝前を一包化にした上で服薬時ごとに配薬ボックスで管理し、鍵付きの場所に保管をしています。

介護施設では、ご自分で服薬が可能な方もおられますが、介護が必要な方も含め、見守りが必要です。特にお薬の数が多い方や粒の薬が飲みづらい、または麻痺などがあり口の中に薬を運びづらい方などは服薬をしてしっかり飲み込むまでの確認が必要です。

ここで、より安全に服薬を行えるポイントをご紹介いたします。

ここで、より安全に服薬を行えるポイントをご紹介いたします。

安全に服薬にするためには

■安全に服薬にするための確認ポイント

  1. 服薬を始める前に一包化された薬の日付、服薬時を確認
  2. 服薬する方の顔と名前を確認する。
  3. ご本人に声掛けし本人確認し、ご本人にも確認してもらう
  4. 服薬を行います。
  5. 口からこぼれたり、服などにこぼれ落ちたりしていないか確認をする
  6. 飲み込みの確認
  7. 飲み終えた薬袋の中身の確認(空になっていることを確認する)
    できる限り確認は複数人で確認しています。

ここで介護が必要な方の場合はより安全に服薬できるように、ご本人の状況により、薬の形状を往診医、薬剤師などと相談をして安全な服薬を行います。

特に、認知症が進行してくると、錠剤の薬が薬ではなく「小石」など異物と感じられてしまうことや、薬自体を飲むことが理解できず、服薬拒否につながることがあります。また、認知症の症状がなくても高齢になりますと味覚の感覚が変わり、苦さなどが強く感じる場合があります。

そんな時も服薬拒否につながる理由の一つです。ご入居前からの習慣や環境もありますので、「薬を飲むこと」自体に抵抗感を感じ、服薬拒否につながるケースもあります。

服薬拒否や薬が飲みづらい方は

■服薬拒否や薬が飲みづらい方への工夫

  • 薬の形状を考慮する
    現在処方される錠剤の薬はコーティングをしているので、苦みなどが感じにくく改良されていますが、錠剤の薬を異物と感じてしまうことや、粒を飲み込めない方には医師や薬剤師と相談の上、粉薬や液体の薬などもありますので飲みやすい形態に変更してもらい服薬します。
  • 薬をこぼさず口に入れる工夫
    手の力が弱い方などは、スプーンや小皿に薬を移し、服薬していただいたり、錠剤や粉薬を口からこぼしやすい方は、トロミ材を使用したりするなどしてまとまりやすくする工夫をして服薬を行います。
  • 薬の味が問題で服薬できない場合
    高齢者になると一般に味覚が鈍くなる方が増えます。それと反対に苦みを感じやすくなったり、薬のにおいが気になったりするなどの理由で服薬拒否をする方もいらっしゃいます。その際は、味のついたお薬服用ゼリーやジャムで飲んでいただくこともあります。
    ただし、薬の種類によっては、混ぜ物と反応して効果が増減する場合がある為、医師や薬剤師に相談が必要です。
  • 機能的ではなく服薬拒否のある方
    なぜ、薬が飲みたくないのかを確認する必要があります。理由はいろいろあります。
  • 子供の頃などの思い出で苦い薬を飲んだ、また副作用に苦しみ「飲みたくない」
  • 病気を認められず薬を「飲みたくない」
  • 認知症やその他精神的な疾患があり薬を「毒」と思い込み「飲みたくない」
  • 独居などが長く、薬を飲まなくても平気、面倒くさいから「飲みたくない」

理由によっては、上記に記した工夫で改善する場合もありますが、精神的な問題や病気(認知症など)は事実と記憶が食い違う場合が多いことから、ご本人が納得されないと改善が難しいため、タイミングや時期をずらすなどの対応が大切です。そんな時は、声掛けや配慮も工夫しましょう

無理強いすることで逆効果もありますので、飲みたくない理由と服薬する、しないのメリット、デメリットを考え、どうしても拒否が強く服薬できない場合は、医療機関に相談することもおすすめです。

日本アメニティライフ協会の施設では、服薬事故を起こさないために、常に工夫をし、より安全にスムーズに服薬が行えるよう、服薬のガイドラインに沿い往診医や薬剤師と連携を取り服薬管理を行っております。

この記事は薬剤師に監修されています

合同会社Sparkle Relation
代表 小林輝信

北里大学薬学部卒業
【資格】
認定 薬剤師/介護支援専門員/iACP認定/MBA/

【所属団体】
一般社団法人全国薬剤師・在宅療養支援連絡会(J-HOP)会長
一般社団法人日本アカデミック・ディテーリング研究会 理事
日本老年薬学会所属
日本服薬支援研究会所属